ギターよもやま話 No.24

今さら聞けないシリーズ第2弾として、ギターのTAB譜に出てくる色々な奏法を示す『記号』をまとめてみました。普段、意外と曖昧にしてしまっている奏法もここで確実に理解してしみましょう!
文章での説明だけではわかりにくいと思いましたので、各奏法に簡単なフレーズ例と参考音源を付けた画期的な内容でお届けいたします。

◆基本テクニック編


1.

ハンマリング・オン
 Hまたはh  
ピッキング後に左手の指で弦をたたくようにして音を出すテクニック。
2.
プリング・オフ Pまたはp
ピッキング後に弦をひっかくように放して音を出すテクニック。
3.
トリル Tr
ハンマリング・オンとプリング・オフを連続して行うことで音をのばすテクニック。
4.
スライド Sまたはs
「目的の音」まで弦の上を指を滑らすようにして音程を変化させるテクニック。
5.
グリッサンド g またはgliss
基本的に指を滑らすという点で「スライド」と同じテクニックだが、
到達する音程が不明確なので、どちらかというと効果音的に用いられることの多いテクニック。

-1.チョーキング Cまたはcho
ピッキング後に左手で弦を押し上げたり、引っ張ったりして音程を変化させるテクニック。
指定の無いこの記号のみの場合は1音(長2度)=2フレット分、音程を変化させる。
-2.チョークダウン DまたはC.D
チョーキングした状態から元に戻すことで音程が下げるテクニック。
-1.ハーフ・チョーキング HCまたはH.cho
半音の音程(1フレット分)でチョーキングするという意味。
-2.ハーフ・チョークダウン
H.D.またはH.C.D.
ハーフ・チョーキングした状態から、音を元にもどすという意味。
-1.ワン・ハーフ・チョーキング
1HCまたは1H.cho
1音半(短3度)の音程=3フレット分でチョーキングするという意味。
-2.ワン・ハーフ・チョークダウン
1H.D.または1H.C.D.
ワン・ハーフ・チョーキングした状態から、音を元にもどすという意味。

-1.トゥ・チョーキング 2Cまたは2.cho
2音(長3度)の音程=4フレット分でチョーキングするという意味。
-2.トゥ・チョークダウン 2Dまたは2C.D.
 トゥ・チョーキングした状態から、音を元にもどすという意味。
10
.クォーター・チョークング Q.CまたはQ.cho
名前どおり、4分の1の音程でのチョーキングを意味するが、実際は4分の1に届かないくらいの音程で、わずかに音程を変化させることでブルージーな効果を得ることが多い。
11
.チョーク・アップ Uまたはu
チョーキングした状態を示す。
またはチョーキングした状態で弦を弾く。
12
.ビブラート Vibまたはvib
音を揺らすテクニック。
チョーキングとチョーク・ダウンの連続で行うことが多いが、クラッシク・スタイルの様に指を揺らしたり、アームを使用したり、奏法は様々。
13
.ダブル・チョーキング W.C
2本の弦を同時にチョーキングするテクニック。2本の弦が正確に同じ幅の音程にチョーキングされないことによってできる、微妙な音程感がブルージーさをかもし出してくれる。
14
.ハーモナイズド・チョーキング
(記号ではなく、Cまたはchoと五線譜上の音で表す)
2本の弦を同時にピッキングして、低い方の音(弦)のみをチョーキングすることによって3度や4度などの特定の和音(ハーモニー)を作り出すテクニック。
15
.ユニゾン・チョーキング
(W.Cと呼ぶ人もいる。記号ではなく、Cまたはchoと五線譜上の音で表す)
ハーモナイズド・チョーキングと同じやり方で、2本の弦を同じ音程にするテクニック。踏み切りの警告音のような独特の“揺れ”が生まれる。



◆特種な奏法の記号集

16
.ミュート Mute
基本的にこの記号で書かれた場合はその箇所を「ブリッジ・ミュート」して弾くということを指すことが多い。右手の腹をブリッジの側、または上に置くことで、サスティーンを押さえたタイトな音が出せる。ロック・ギターの必須テクニック。
17
.ブラッシング X
右手または左手でミートした音を弾く奏法のこと。音程感のまったく無いパーカッシブな効果が得られる。
18
.スタッカート 
音を短く切って演奏すること。
ミュートやブラッシングとは異なる。
音程をしっかり出した後に、左手の力を抜いたり、右手で弦に触れたりして音を短く切るが、音を切るタイミングは曲調やテンポに合わせる。
19
.ナチュラル・ハーモニクス 
開放弦で行われるハーモニクス奏法のこと。
ハーモニクスの出るポイントに左手で軽く触れて、弦を弾くと同時に左手を弦から放すことで倍音を出すことができる。
20
.ピッキングハーモニクス
picking Harm.または○
ピックを深めに持って、ピッキングと同時に右手の親指の側面で弦に触れることで、ハーモニクス(倍音)を出すテクニック。
21
.ライトハンドハーモニクス 
左手で押さえているフレットに対して、右手の人差指をハーモニクス・ポイント(+12フレットまたは+5、+7フレット)に置いてピッキングすることで、ハーモニクスを出す奏法。右手人差指で触れるポイントをたたいてもハーモニクスを得られる。
( )内のフレットをたたいてハーモニクスを得る奏法を、“タッピング・ハーモニクス”という。
22
.トレモロ 記号は右図参照
半音の音程(1フレット分)でチョーキングするという意味。
23
.スイッチング・トレモロ Switching
1音半(短3度)の音程=3フレット分でチョーキングするという意味。
24
.アーミング Arm
トレモロ・アームを使って、音程を大きく変化させたり、ビブラートをかけたりする奏法。音程の変化の流れは矢印で示す。アームを“コツコツ”と叩いて独特の効果を得る方法もある。
25
.ボトルネック(スライド) Bottle Neck
ボトル・ネック(スライド・バー)を使用して弦の上を滑らすことで、なめらかに音程を変化させる奏法。
26
.ピックスクラッチ Pick Scratch
チョーキングした状態を示す。
またはチョーキングした状態で弦を弾く。
27
.クロマチックラン Chromatic run
ベンチャーズの“テケテケ”サウンドで有名な奏法。ハイ・ポジションからロー・ポジシヨンに向けて(またはその逆)左手で押弦したままスライドさせて、トレモロ・ピッキングする奏法。
28
.チョップ 記号は右図参照
任意の音にアクセントを付けるために、その音に加えて、他の弦をミュートして一気に弾きおろす奏法。強調したい1本の弦のみ押さえて、その音にアクセントが付くように弾くのがポイント。
29
.ヴォリューム演奏
ヴォリュームを“0”にした状態でピッキングして、任意のタイミングでヴォリュームを上げる奏法。アタック音がなくなり、だんだん音が大きくなるニュアンスが、ヴァイオリンに似ていることかた『ヴァイオリン奏法』とも呼ばれる。
30
バラバラに弦を弾きおろして、“ジャラ〜ン”というタメの効いたニュアンスを出す奏法。
31
.フィードバッグ FeedBack
アンプの音と弦振動の共鳴をピック・アップが拾うことによって、永遠に伸びるサスティーンを得る方法。



32.

ライトハンド
 
矢印で示した音(フレット)を右手でたたいて音を出すテクニック(タッピング)。左手のH&Pと組み合わせて演奏されることが多い。


TAB譜で練習していて、わからない記号や表記があったらこの特集をぜひ参考にしてください。
また知らないテクニックなどがあったらぜひ譜例を実際に弾いてみて下さい。
いい練習&復習になると思います。それでは頑張ってください!!

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