★アコギで作曲 〜簡単コード進行理論〜 第7回
今回は『マイナー・キー』&『マイナー・スケール』について解説していきます。
これに合わせて“平行調”&“同主調”などの「メジャー・キー」との関係と転調について話してみたいと思います。
コードの機能などの基本的な使い方は「メジャー・キー」の時と同じですので、今回紹介する『マイナーのダイアトニック・コード』を使って曲(コード進行)を作ってみてください。それでは始めましょう。


まず最初にもっともよく使われる、実用的な『マイナーのダイアトニック・コード』を紹介します。
各コードの構成音やスケールなどについては後ほど詳しく説明しますので、とにかく弾いてみてください。
マイナーは複雑すぎてムズカシイと感じてしまう方は、この『マイナーのダイアトニック・コード』を“まる覚え”してしまって構わないと思います。

  KeyCm(Cメジャーのダイアトニックコードと比較しながら覚えてください)


 ※基本的なコードフォームを示しておきましたので
   実際に弾いて雰囲気をつかんでください。


 〜マイナーには3つの基本スケールがある〜
  マイナーには、何も手を加えない“ナチュラル・マイナー・スケール(自然短音階)”と目的別に改良された“ハーモニック・マイナー・スケール(和声的短音階)”&“メロディック・マイナー・スケール(旋律的短音階)”があります。
まずはそれぞれのスケールの構成音の違いをチェックしてみましょう。



※Cナチュラルマイナーの6番目(ラ)と7番目(シ)を半音上げたスケール
※ハーモニックマイナーとの違いは6番目の音(ラ→ラ)




   どのような流れ(目的)で“ハーモニック・マイナー・スケール”&“メロディック・マイナー・スケール”ができたのか、より詳しく見ていきましょう。なぜマイナーに3つの基本スケールができてしまったのかが解かると思います。

  Cナチュラルマイナースケール (Eメジャースケールの6番目のスケール)

コード進行上の解決感を出すためにV7(G7コードを作りたい。それには・・・
G7(V7)を作るためにシをシにしたマイナースケールは・・・・
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Cハーモニック・マイナー・スケール
このことから、ハーモニックマイナーはドミナント7thをマイナースケール上に作るためのスケールと言えます。だから名前も「和声的短音階」なんですね!!

VII (シ) VII (シ) にしたことによって次に問題になってくるのは、
ハーモニックマイナースケール上にできてしまう1音半音程です。

Cハーモニックマイナースケール
この1音半の音程はメロディをクラシック調にしてしまいます。
かなりクセのあるメロディになります。
そこで素直なメロディを作るために全音と半音のみのスケールを作る必要が出てきます。

そのために・・・
ハーモニックマイナーのVI (ラ) VI (ラ) にして、全音&半音の音程のみでできたマイナースケールになる。
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Cメロディックマイナースケール
Cメジャースケールの3番目の音のみが3rdになっているスケールと考えても良い
ドミナント7th(V7)を含みながら、さらに素直なメロディを作るためにすべての音程を全音&半音にしたスケールなので旋律的短音階」と呼ばれるわけです。




   ここで参考までに、3つのマイナーの基本スケール上に構成される3つの『ダイアトニック・スケール』をまとめて紹介しておきます。
3つを比較してみてください。中にはほとんど使用されないようなコードも出てきてしまいますが・・・・。
特に“ハーモニック・マイナー・スケール”&“メロディック・マイナー・スケール”は人工的に改良したスケールですのでより複雑です。

マイナーKeyのコード進行上での機能
トニックマイナー
(TM)
トニック
(T)
サブドミナントマイナー
(S.D.M)
サブドミナント
(S.D.)
ドンミナントマイナー
(DM)
ドンミナント
(D)


 1.ナチュラル・マイナー・スケール上のダイアトニックコード

基本となるダイアトニックコード


 2.ハーモニック・マイナー・スケール上のダイアトニックコード

ポイントになります

=ナチュラルマイナーと異なる箇所


 3.メロディアック・マイナー・スケール上のダイアトニックコード

ポイントになります

=ハーモニックマイナーと異なる箇所
(ナチュラルマイナーとはすべてのコードが異なる)




   上記の3つのマイナー・ダイアトニック・コードの中から比較的よく使われるコードを取り出して、一番最初に紹介した“実用的な『マイナー・ダイアトニック・コード』”に加えておきますので、余裕のある人はこちらも参考にしてください。

KeyCm上での実用的なマイナーダイアトニックコード+α


となりますので参考にしてください。



   『平行調』とは、調号(♯,♭)が同じ“メジャー・キー”と“マイナー・キー”の関係を表す言葉です。
それではCメジャーKeyとAマイナーKeyの各スケールを比較してみます。


同じ主音から始まる=同主音

この2つのスケールを比較してみると同じ構成である事がわかります
つまりCメジャーKeyAマイナーKeyは同じ構成音のスケールでできていて始まる音(主音)が違うだけということになります

Cメジャーkeyの主音「」とAマイナーKeyの主音「」の音程を
見てみましょう。

これでわかるように平行調は・・・・
メジャーKeyから見た「短3度下(又は長6度上)」のマイナーKey
マイナーKeyから見た「短3度上(又は長6度下)」のメジャーKey

では実際に例を見てみましょう

平行調のメジャーKeyとマイナーKeyは同じスケールに成り立っているので、転調も簡単にできるので平行転調という手法は曲作りによく利用されます。



   『同主調』も“メジャー・キー”と“マイナー・キー”の関係を表す言葉です。
主音(始まる音)が同じ、つまりKeyCKeyCmということです。
どのような関係を指すのかは下図を参考にしてください。『平行調』との違いも合わせて理解しておくと良いでしょう。

同じ主音から始まる=同主調

では実際に例を見てみましょう
調号の違いに注意してください。

●まとめ
今回は「マイナー」について詳しく解説してみましたが、少し複雑だったかもしれません。
「マイナー」でも「メジャー」でも各コードの“機能”は同じように働くので、「メジャー」での知識を参考に「マイナー」の曲を作ってみてください。尚、『平行調』や『同主調』の転調などを駆使してドラマティックな展開の曲を作ってみるのもいいでしょう。
いろいろ試してみてください。次回は『アコギで作曲』シリーズの最終回になります。
メロディや分数コードについてアドバイスしてみたいと思います。お楽しみに。

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