録音のススメ2


エレキギター編
エレキギターにとってはエフェクターはほば100%必要不可欠なものです。皆さんも様々なエフェクターでいろいろなサウンド作りに励んでいると思います。普段の練習やバンドのリハーサルではいちいちが変わる度にエフェクターをつなぎ変えるのは面倒ですから、大体一度決めた並び順をかえることはないと思いますが、録音の時にはその発想を敢えて転換してみるのも面白いかもしれません。今回何種類かのオススメサウンドを紹介していますが、その時のエフェクターのつなぐ順番によるサウンドの変化にはある一定の法則が見られることがあります。このことはギターの録音だけに留まらずデモテープ作りの時などにも重要なカギとなることのひとつかもしれません。注意深く聴き比べてみてください。
今回の音素材はエレキギターをプリアンプに通してからライン録音したものです。
1  ディレイ+トレモロ
「トレモロ」というエフェクターは初めての紹介になります。
いわゆる揺れモノ系のエフェクターですがコーラスやフェイザーなどとは違う独特な雰囲気のサウンドになります。まずは元の音にトレモロをかけるとどうなるか聴いてみてください。
ここでのオススメはディレイをかけてからトレモロをかける、というものです。
前回のアコースティックギターの時にも言いましたが、ディレイやリバーブといったエフェクターはほとんどの場合一番最後にかけるのがセオリーですが、セオリー破りのかけ順による面白さではないでしょうか。
トラック.3と トラック.5 の違いがわかりましたか?
トラック.3のヴァイオリン奏法のようなサウンドはなかなか雰囲気があると思います。
ディレイが先にかかっている方が遠くの方でサウンドが鳴っているように聴こえますよね?

 ディレイ + ディストーション
普段バンドのリハーサルやライブの時などディレイをディストーションの前につないでいる人って、まずいませんよね?やはりきちんとディレイ音を聴かせたいときにはディストーションの後にディレイをかけたほうがクリアでエフェクト効果の分かりやすいサウンドになります。ここでは敢えてそれを逆にしてみたモノをオススメしちゃいます。
やはり例1の時と同じく、ディレイを先にかけてからディストーションをかけた方がディレイを後にかけたものより、「遠くに聴こえる」ことがわかると思います。この「遠くに聴こえる」ということは非常に大切なポイントで、ディレイをかけることはミックスダウンをする時の音の定位をコントロールすることにもなるということを意味します。 「定位」とはそれぞれの楽器やボーカルなどがステレオのなかのどの辺りから聴こえるか、ということですが、単に左から右からというだけでなくこのように前後関係も含みます。リバーブもこのような前後方向や奥行き感といった定位をコントロールすることができるエフェクターです。
バッキング・ギターなどメインボーカルやリードギターよりも後ろの方で聴かせたい音色の場合、これらのエフェクターを上手に使って定位の差をつけることでも、より明確なミックスダウンをすることができるのです。

 揺れモノ系+ディストーション
コーラスやフランジャー、フェイザーといったエフェクターについては録音のススメ2の第1回ストラトvsレスポールのところでも紹介していますので参考にしてみてください。セオリーとしてはディストーションをかけてからコーラスなど揺れモノ系エフェクトをかけるのが普通でしょうが、ここでは逆の順にしたものをオススメしちゃいます。エフェクターのかかり具合よりはむしろ音そのものが太くなっているように聴こえるところがヨイではありませんか?

 フィルター系+ディレイ
今度のディレイは空間的な広がりを出す効果というよりは、エンヴェロープ・フィルターのえげつない効果(?)を強調するねらいで使ってみました。ひとつはP−ファンク風のカッティング・サウンド、もうひとつはアナログ・シンセ風のロボットヴォイス・サウンドです。
この場合はエフェクターの順番の違いによる音色の変化は結果としてはあまりありませんでしたが、実際に弾きながら録音する場合は弾く時のニュアンスが全く違います。このような音色の場合は弾き安い音色を先に作っておいた上で、かけ録りをすると良いでしょう。

 おまけ
1で使った音色をもとにまたひと味違った音色アレンジを紹介してみようと思います。
「違いがわからない!」という人も多いでしょう。
「コーラス + コンプ」でかけた場合は「コンプ + コーラス」でかけた時よりも「コーラス感」が強調されすぎてちょっとイヤミかも、、、。やはり先にコンプをかけておいた方がレベルがそろった上にコーラスがかかるので、コーラスだけかけた時よりきれいな響きになっていると思います。
まとめ
前回も含めて、これまで紹介してきたエフェクターは皆さんが持っているMTRなどに内蔵されているものを使うことを前提として話しを進めてきました。
パソコンを使ったデジタル・オーディオ・ワークステイション・ソフトなどの場合はかなり自由度が広がるのですが、もし3つ以上ものエフェクターをかけようとすると普通のMTRでは1種類以上のエフェクターのかけ録りをするか、もしくはトラック・バウンシングをしなければなりません。

このような場合、ディレイなどのかけ録りをするときやトラック・バウンシングをする時は曲のテンポなどを注意した上で行った方が良いでしょう。いろいろとエフェクターもやってみなければわからない、奥のふかーいものですね。
皆さんもセオリーにとらわれることなく自由に自分のオリジナルサウンド作りに励んでみてください。
『音で体感する!』 第8回は、ギタリストのためのDTM入門を紹介していこうと思います

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