録音のススメ2



★マイクのセッティング位置による音の違いを体感しよう!
芸術の秋です。みなさんの音楽製作にもいっそう身が入る時期ではないでしょうか。
デモテープ作りに余念のないギタリストの為に今回は、マイクを使ったアコースティックギター録音のイロハを伝授してしまいます。
今までの「録音のススメ」を読破してきたマニア(?)の皆さんでも、いざ録音するとなるとフレーズ自体を弾きこなすのに時間をかけ過ぎてしまったり、どの音色が曲に合っているか迷ってしまったりして、マイクセッティングについて追求することは少ないと思います。とにかく聴いていただければわかることなのですが、マイクの位置の違いによる音の変化は非常に大きく、「これが同じギターの音か!?」と驚くことでしょう。
今までアコギの録音でなかなか良い音が得られなくて新しいギターを買ってしまおうか、なんて考えていた人は、少し思いとどまってください。生音が気に入らないのでは仕方がないかもしれませんが、これを聴けばきっとあなたの手持ちのギターで良い音を録音するためのヒントが、必ずや見つかるでしょう。
ダイナミックマイク録音の注意点
コンデンサーマイク録音の注意点
  録音レベルは大丈夫?
ミキサーやマイク・プリアンプまたはMTRに直接接続した場合など、トリム・ツマミ(インプット・ゲインなどともいう)で入力レベルを音が歪まない程度にできるだけ大きく調整してください。
(「録音のススメ.STEP. 4」参照)

モニターはできてる?
録音する時には必ずヘッドフォンを使ってモニタリングしましょう。録音しながらその音をスピーカーから出してしまうと、マイクがスピーカーから出ている音までも拾ってしまうため、クリアな録音が出来ないばかりかハウリングの原因にもなってしまいます。
ファンタム電源が必要です
コンデンサー・マイクはそれだけでは使うことはできません。ファンタム電源のあるミキサーかMTRに接続するか、マイク・プリアンプを用意する必要があります。


ノイズに注意
コンデンサー・マイクは ダイナミック・マイクにくらべてより小さな音も拾ってしまう特徴があります。
モニター用のヘッドフォンには必ず密閉式のものを使い、また床に柔らかい布をしくなど、充分なノイズ対策をしてください。

 オン・マイク録音
ギターに10cmくらい近づけて録音することをオン・マイクといいます。
今回はダイナミックマイクとコンデンサーマイクを使ってそれぞれの音の違いを聞き比べてください。
(マイクの特性や種類などについては「録音のススメ.STEP. 8」を参照)






★ギターに対して、マイクの移動の横軸が音色の雰囲気やカラーを決定付けていて、マイクの移動の縦軸が周波数的なボリュームを左右する、と言っていいかもしれません。マイクを弦に対して真正面に向けた時には意外にも一番軽い音になっているのは、マイクが弦の振動を一番強く拾ってしまうためでしょうか。
コンデンサー・マイクのほうがより広い音域に渡ってバランスよく音を拾うため、マイクをどの位置においてもくせの少ないギターらしいサウンドが得られたと言えるでしょう。
アコギの録音にはコンデンサー・マイクを好んで使う人が多いのも納得です。しかしジャンルが限定された場合、むしろ ダイナミック・マイクのほうがより曲調に合った音を作りやすい場合もあります。


 オフ・マイク録音
「オフ・マイク」というのは音源から近くにマイクを置く「オン・マイク」に対して、音源から距離をおいてマイクを置くことをいいます。クリアな音やアタックのしっかりした音をとることは難しいのですが、部屋の反射音を利用したリバーブ音などを録りたい時などに使うセッティング方法です。
しばしば「アンビエントな音」といわれるのがこのような方法を用いて録音した音である場合が多いです。
デモテープなどのミックスの際、遠くに奥まって聴こえるようにアレンジしたい時などは、最初からこのような方法で録音しておくこともあります。

今回は 「オフ・マイク」といっても50cmぐらいしか距離をおいていません。
音色の変化を見るためですが、更に遠くにおいて録音してみてもよいでしょう。
録音している部屋などによっても感じは変わってきますが、基本的なマイクのセッティングによる音の変化は 「オン・マイク」の時と変わらないかもしれません。
どの位置においても何となく柔らかな雰囲気になっていると思います。
「オフ・マイク」の音源に対する距離に関して決まりはありませんから、いろいろと試してみてください。


 マイクを2本使った録音
最後にマイクの2本使った録音方法を紹介します。
わざわざ2本使うのですから、キャラクターの異なるマイクの組み合わせであるとか、マイクを置く位置をずらして組み合わせるとか、 基本的には二つの音色の「いいとこ取り」をしたい時に使う方法であると言えるでしょう。
組み合わせの方法はたくさんありますが、ここでは一例となるものだけを紹介しておきます。

注意:まずないこととは思いますが、2本のマイクを音源に対して向き合わせた状態(サンドイッチした状態といえばよいでしょうか)にはしないでください。それぞれの位相が干渉しあい実音のない音になってしまいます。
もしそのような時にはフェイズシフト・スイッチ(ミキサーなどには必ずついています)を使ってどちらかのマイクの位相を反転させください。また、MTRに直接マイクを入力する時は、入力端子が二つ以上なければなりません。






まとめ
いかがでしたでしょうか?実際これほどまでに違いが出ると思っていた人はあまりいないでしょう。
やはりマイクを2本使うとより音色のバリエーションが豊かにはなりますが、たとえダイナミック・マイク1本だけでもこれほどのサウンドが作れるのも事実なんです。
また先にも述べましたが、録音する部屋すら楽器の一部であると考えた方が良いです。
マイキングはとにかく実践して経験を積むしかありません。
マイクやマイクプリアンプの買足しなどは後からでも遅くはないのです。
『音で体感する!』 第6回は、「こだわりのエフェクター使いに挑戦」です

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