★今回はレコーディングまたはミックスの時の、EQ(イコライザー)の使いこなしかたのヒントを紹介してみようと思います。「EQとは、周波数特性を変化させ、音質を補正する装置です。ギタリストである皆さんならきっと自宅や練習スタジオにあるギターアンプで音を出したことがあると思います。自分の好みの音を出すために図.1のようないくつかのツマミを動かしてサウンド作りをします。このツマミが実は「EQ」です。 それではなぜ、レコーディングの時に 「EQ」が必要なのでしょうか? 『自分で気に入った音をそのまま録音しちゃえば、あとで音を変える必要なんてないじゃん。』と思う人も多いでしょう。実際、レコーディングの時にはまずきちんと自分の音を作り込んでおくことが大切なんですが、様々な場面で「EQ」が活躍してくれることを感じ取ってみてください。 もちろん単体で販売されている、エンジニアさんが使うような高価な「EQ」を買う必要はありません。 自分が持っているMTRやミキサーなどについているものを使ってみてください。 |
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まずは「EQ」の基本について知っておいてください。 「EQ」 を使うと音色が変わることはわかっていても、なぜ変わるかを知っている人は少ないと思います。 音にはすべて「周波数」というものがあり、 「EQ」はその音の周波数の分布を変えるものです。 ![]() |
一概には言えませんが、楽器や声には様々な周波数が含まれていて、それぞれ多く含まれる周波数、少なく含まれる周波数などが異なっているために、私達はそれらの音を「違う楽器(声)の音である」と認識できるのです。 |
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言葉で説明するとややこしいので、イメージと実際の音で感じてください。 |
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★まず音を聴いてみてください。 同じ周波数、同じゲインの調整でも、周波数幅(Q)が違うだけでEQ処理後の音が違うのがわかると思います。 |
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さて、「EQ」の基本をわかってもらったところで、実際のレコーディングでどのように使うのか、、、。 音作りにおける 「EQ」は基本的にレコーディングする前に作っておくことは先にも述べましたが、せっかく気に入った音でよい演奏を録音できたのに、ノイズが入ってしまっていて、どうしても気になるということがあります。 |
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よく足でリズムをとったり自分の呼吸する音が入ってしまって気になる場合があります。 パラメトリックイコライザーを使って、Qを狭くしてゲインを大幅にさげた状態にして、ゆっくりと一つの周波数を動かしてノイズの周波数を探して行くことがコツです。 |
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もちろん完全にノイズ音を消すことは難しいのですが、アンサンブルの中で気にならないような方向に持っていくのがポイントだと思います。ギター単体の音色はやせてしまっているように聞こえるかもしれませんが、アンサンブルの中での分離感が良くなっていると思います。 ただこの辺りはどれが正しいというのはなく、自分の好みの問題だと思います。 「ノイズが入っていたら絶対にいけない!」という決まりすらないのですから、、、。 |
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デモテープなどのミックスの際、ギターとボーカルがかぶってしまって、歌が聴こえにくい時、フェーダーでギターのボリウムを下げるのが一番簡単な方法ですが、「EQ」を使う手もあります。 |
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違いが聴き取れましたか? フェーダーでギターの音量を下げた場合、全体として勢いの失われたような感じになっていると思います。 EQを使った場合はギターの音色に多少の変化はあるものの、曲の勢いをなくすことなくよりボーカルがくっきりと聴こえるようになっています。ここではボーカルの一番よく聴こえるのが中音域なので、ボーカルにかぶさっていると思われるギターの中音域の一部分だけをカットする、というテクニックを使いました。 特にこのようにバンドアンサンブルなどでEQを施していくときは、まず第一に「何を聴かせたいのか」をはっきりさせていくことが何よりも大切です。 |
まとめ 今回紹介したヒントは 「EQ」のいわば消極的な使い方かもしれません。もちろんギターの高音域をブーストして輝きを出したり低音域を足して音を太くする、という積極的な使い方もできますが、全ての帯域をブースとしているうちにただ単に音量があがってしまっただけということにも陥りがちです。レコーディングの時には常にEQをかける前の原音と聴き比べながら、本当に必要な処理だけを施すようにしていくことがコツであると言えるでしょう。 |
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