フレットで覚える音楽の仕組み 第12回


前回までで“コード”そのものに対しての解説を進めてきましたが、“コード”単体で作れるのは『響き』(ハーモニー)のみで、『音楽』(曲)にはなりません。
“コード”は進行させて(並べて)始めてその役割を果たすものなのです。
今回からは『コード進行』についての理論&ヒントについての話を進めていきたいと思います。
そのための基礎となる“ダイアトニック・コード”についてきちんと理解していきましょう。
前回までで説明しきれなかった「aug」コード&「add」コードについて解説した後、『ダイアトニック・コード』に入っていきたいと思います。
 オーギュメント・コードについて(augで表記する)
「augコード」(オーギュメント)は「dimコード」(ディミニッシュ)と同様、特殊なコードですが、同じルートの「7thコード」の代わりに使ったり、半音上のルートの「m△7コード」の代わりに使ったりします。構成音はメジャー・トライアド(三和音)の5thが#した(半音上がった)コードです。詳しくは下図で確認してください。





アド・コードについて(addで表記する)
「addコード」はaddが意味するように“『三和音』(トライアド)に直接何らかの『テンション』を加えた”コードです。
広がりのある響きが特徴です。他の表記との比較も含め、下図を参考にしてください。
C(トライアド)に直接9thを加えたコードということ 

参考:表記の似ているCadd9、C9、C△9、C69の違いを確認しておきましょう。


この4種類の表記の違いによる、構成音の違いをしっかり把握しておきましょう。
「7th」にあたる部分だけが変わっている事に注目してください。


では、いよいよコード進行理論の基礎に入っていきましょう。



いきなり“ダイアトニック・コード”と言われても、よく分からない人も多いと思います。“ダイアトニック・コード”とは簡単に言えば『ダイアトニック・スケールの上に自然にできるコード』ということになります。エッ!?まだわからない?最初は『基本となるスケールの構成音だけで作られた基本コード』だと思ってください。
しばらくは“Cメジャースケール”(ド・レ・ミ・・・、ハ長調)を中心に話を進めていきますので、『ド・レ・ミ・・・〜の上に#もbも付けずに自然に重ねたコード』だと思ってください。詳しくは下図で確認してください。


この四和音でできたコードをダイアトニックコードと考えて解説していきます。
注)三和音(トライアド)にしたい時は7thを省けばよい
Key=I  と考えて、コード・タイプと一緒にダイアトニックをローマ数字でも言えるようにしてください。
JAZZなどでは一般的ですが数字で覚えることで転調への対応が格段に楽になります。

ぜひローマ数字でも覚えてください。

それでは実際にギターで弾いてみましょう。
5弦Rootと6弦Rootのそれぞれで練習してください。
覚え方のヒントになるような練習法を紹介しておきます。




『ダイアトニック.コード』にはだいぶ慣れてきましたでしょうか?これから“コード進行”理論について勉強していくわけですが、KeyCの曲のコード進行を調べてみるとそのほとんどがこの『ダイアトニック・コード』によって占められています。つまり人の曲をコピーしたりする時なども「Key」さえわかれば、コードの当たりを付ける事ができるので労力が半減するでしょう。また、自分で曲を作る時なども、頭の中の“イメージ”を形にする助けになるでしょう。

『ダイアトニック・コード』を“ローマ数字”で覚えてもらいましたが、これは転調してもI△7ーIIm7-IIIm7-・・・・という順番は変わらないので「I△7」のところに、「Key」を当てはめてやれば簡単に転調が行えます。
下図で各Keyに転調したものを表にしておきますので、資料として参考にしてください。


 ♯系のKey (Key=I)
Key 
調合
I△7
IIm7
IIIm7
IV△7
V7
VIm7
VIIm7
KeyC
なし
C△7
Dm7
Em7
F△7
G7
Am7
Bm7
KeyG
♯(ファ)
G△7
Am7
Bm7
C△7
D7
Em7
F♯m7
KeyD
♯(ファ)、♯(ド)
D△7
Em7
F♯m7
G△7
A7
Bm7
C♯m7
KeyA
♯(ファ)、♯(ド)
♯(ソ)
A△7
Bm7
C♯m7
D△7
E7
F♯m7
G♯m7
KeyE
♯(ファ)、♯(ド)
♯(ソ)、♯(レ)
E△7
F♯m7
G♯m7
A△7
B7
C♯m7
D♯m7
KeyB
♯(ファ)、♯(ド)
♯(レ)、♯(ラ)
B△7
C♯m7
D♯m7
E△7
F♯7
G♯m7
A♯m7
KeyF♯
♯(ファ)、♯(ド)、♯(ソ)
♯(レ)、♯(ラ) ♯(ミ)
F♯△7
G♯m7
A♯m7
B△7
C♯7
D♯m7
E♯m7
F♯m7

 ♭系のKey (Key=I)
Key 
調合
I△7
IIm7
IIIm7
IV△7
V7
VIm7
VIIm7
KeyC
なし
C△7
Dm7
Em7
F△7
G7
Am7
Bm7
KeyF
(シ)
F△7
Gm7
Am7
B△7
C7
Dm7
Em7
KeyB
(シ)、(ミ)
B△7
Cm7
Dm7
E△7
F7
Gm7
Am7
KeyE
(シ)、(ミ)、(ラ)
E△7
Fm7
Gm7
A△7
B7
Cm7
Dm7
KeyA
(シ)、(ミ)、(ラ)
(レ)
A△7
Bm7
Cm7
D△7
E7
Fm7
Gm7
KeyD
(シ)、(ミ)、(ラ)
(レ)、(ソ)
D△7
Em7
Fm7
G△7
A7
Bm7
Cm7
※注) ・ダイアトニックコードは横に並ぶ
・調合は♯&♭の数と音を表示
・ローマ数字と各Keyのコードをきちんと比較すること

参考:ダイアトニック・コードのテンション
ダイアトニック・コードに付けられるテンションをまとめておきます。
これ以外のテンションも付けることもありますが、標準的なテンションの付け方の目安にしてください。
ダイアトニック
コード
テンション
アボイド
I△7 (I 6)
C△7
(C6)
9th
C△7(9)、(C6(9))
4th
ファ
IIm7
Dm7
9th、11th
Dm7(9)、Dm7(11)
6th
シ
IIIm7
Em7
11th
Em7(11)
9th、6th
ファ、ド 
IV△7
F△7
9th、♯11th
F△7(9)、F△7(♯11)
F6(9)、F6(♯11)
無し
V7
G7
9th、♭9th、♯9th
G7(9)、G7(♯9)、G7(♯9)
♯11th、13th、♭13th
G7(♯11)、G7(9)、G7(♯13)
4th
ド
VIm7
Am7
9th、11th
Am7(9)、Am7(11)
6th
シ
VIIm7
Bm7
11th、♭13th
Bm7(5,11)、Am7(5,13)
9th
ド



これから『ダイアトニック・コード』がコード進行&作曲のすべての基本になっていきますので、しっかりと覚えてください。
次回からは『ダイアトニック・コード』の役割分担(グループ分け)から始まり、コード進行の代表的なパターンまでをそれぞれ詳しく解説していきます。基礎はできあがったので今まで勉強してきたことをフルに活かして、“音楽”を創造していきましょう。「音楽理論」は過去の偉大なミュージシャン達のアイディアの集大成ですので、楽しみながら理解していってください。


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